研究紹介

研究紹介


※各画像をクリックすると拡大画像が表示されます。
弾性力学研究室(伊藤研究室)

材料の内部には、微小な空孔や介在物などが存在します。材料に繰り返しの荷重が働けば、これらの欠陥を起点にして、図1のような割れ傷(き裂、クラックと言う)が発生してきます。
このき裂は、繰り返しの荷重が働く都度、例えば、0.002mmだけ長さが長くなります(き裂が成長すると言う)。繰り返しの荷重が1万回働けば20.0mmになり、10万回働けば20cmになります(正確には、荷重が1回働いた場合、いつも0.002mmだけき裂が進展するとは限らず、少し複雑な式で求められる)。このき裂の長さが、ある長さに達した時(例えば、21.0cmになった時)、材料は前触れも無く突然壊れます。
当研究室では、き裂の成長を予測するための応力拡大係数を解析や実験から求めています。
〔写真:管野宗和著、固体の力学、技術書院1987、P147〕

伊東研究室(伊東研究室)

化石燃料の使用量を減らし地球温暖化を抑制するエネルギー源の一つとして、バイオマス燃料が注目されています。当研究室では、とくに高密度固体バイオマスブリケットを効率的かつ有効に利用することを可能にするブリケット製造条件や燃焼方式の開発を行っています。バイオマスブリケットの密度や水分含有率のブリケット内部熱伝達への影響、着火や燃焼特性への影響を調べるとともに、ブリケットの一端から燃焼させることで燃焼制御を容易にする新しい固体燃料の燃焼方式の可能性について研究しています。

ロボティクス研究室(林研究室)

日常生活の行動を支援する人間共存型ロボットの実現を目指し、ロボット機構・軌道生成・制御則・情緒インタラクション・対人安全性などの研究を行っています。具体的な開発の例としては、まず人間と不意に衝突しても怪我をさせない生活支援ロボット(Fig.1)があります。生活空間のような狭い空間で人とロボットが活動していると、互いの接触を完全に回避することが困難な場合があります。そこで、このロボットはセンサに頼らずに受動的に衝撃を緩和できる関節機構を搭載しています。また、人間の居住環境に適応可能な2足ヒューマノイドロボットを開発しています(Fig.2)。このロボットの総重量は64.5kg、全長は1.66mで、片脚6自由度、腰部に3自由度、片腕7自由度、片手5自由度、首部に3自由度の合計42自由度で構成されています。水平・平坦路上での動歩行(前進歩行・後進歩行・横歩行)や、様々な物体の把持も実現しています。 さらに、エンターテインメント性を持ったロボット(動物型ロボット・鳥型ロボット・昆虫型ロボットなど)や、ジャンピングロボット(Fig.3)、フライングロボット(Fig.4)、感情表現ロボット、知能制御サービスロボットの開発も行っています。

ロボット制御システム研究室(江上研究室)

機械工学とはものをつくり、それを動かす工学です。当研究室では 新しい機能を持ったメカを開発し、それを思い通りに動かす研究を 行っています。

具体的な開発の一例としては、宇宙エレベーターが実現したとき、 そのクライマー(昇降機)はどのような機能が必要かを考えて、実験用 クライマーの開発を行っおり、これを災害監視用ロボットへ応用する 研究も行っています(図1)。

また当研究室で開発した経路制御手法を用いて、 プレート上でボ ールに思い通りの経路を描かせる装置も開発し、人間よりも遥かに正 確な制御を実現しています(図2)。

交差点などでの判断は搭乗者が行い、判断の不要なところではセン サで周囲の環境を認識し、障害物を回避しながら走行する自動走行 車椅子や段差乗り越え機構を用いた倒立振子型電動車椅子、柔軟関節 を持つ4脚ロボットなどの福祉ロボットの研究も行っています(図3)。

機械要素研究室(笹田研究室)

当研究室では、金型を利用する塑性加工を中心として、成形品の形状精度や強度評価などを行っています。実験を行うとともに、有限要素解析や画像解析を利用することにより材料変形の詳細などを確認しています。研究の一例を紹介します。せん断加工中の材料を高速度カメラで撮影した画像をもとに画像解析を行い、材料の変形を明らかにしました。解析結果より製品形状と加工条件の関係などを考察しています。

宇宙環境計測研究室(清水研究室)

宇宙空間を飛び交う未知の粒子の探索のため、人工衛星や高高度気球に搭載する観測装置の研究開発を行っています。宇宙空間に存在すると考えられる暗黒物質や反粒子などに関わる高エネルギー現象の観測を目指し、高真空かつ高放射線量である宇宙環境で用いる放射線測定器やその制御・電力・冷却システムの開発、コンピュータシミュレーションを利用した装置の設計を行っています。現在は主に、南極周回気球による暗黒物質探索のための測定器開発を進めています。また、国際宇宙ステーションに搭載された高エネルギー宇宙線観測装置のデータ解析を行っています。

材料力学研究室(竹村研究室)

当研究室では、機械に用いる多くの材料の中で、軽くて強い点、または環境に優しい点を特徴とした高分子系複合材料に研究対象を絞っています。
複合材料は、2種類以上の基材からできているため、その破壊形態も写真のように従来の材料と比較して非常に複雑となります。これら複合材料の信頼性を高めるには、その破壊過程を詳しく知ることが必要となります。従って、複合材料の破壊過程及びそれらの高性能化を主な研究テーマとしています。
また、地球環境問題に配慮して、使用後の廃棄物問題の観点から、リサイクル性、天然資源を用いたグリーンコンポジットに関する研究も併せて行っています。

航空宇宙構造研究室(高野研究室)

航空機・宇宙機は、軽量かつ高信頼性であることが求められており、そのためには構造設計の進歩が欠かせません。一方で、コンピュータによる解析手法が格段の進歩を遂げていますが、薄肉構造の座屈と呼ばれる破損現象(上図)や、継手部の強度、強度の統計的評価など、未解決の分野があります。当研究室では、それら未解決の分野の研究に取り組んでいます。また近年、大学での超小型衛星の開発が盛んですが、それらは大型ロケットに相乗りで打ち上げられるため、その機会は限られています。そこで、超小型衛星を安価で迅速に打ち上げるための超小型ロケットの開発にも取り組み(下図)、JAXAとの共同研究も行っています。

機能材料加工研究室(寺島研究室)

金属ガラスとは構造は液体そっくりだが、見た目は固体である特殊な金属材料(バルクアモルファス合金)です。強度、耐疲労、耐食性などが極めて優れるため「次世代機械材料」として期待されています。
しかしながら製品化する上での問題は熱力学的に非平衡な材料であるため加工が非常に難しいことです。つまり一定量以上の熱を加えると直ちに結晶化して特性が失われてしまうのです。そこで本研究室では金属ガラスに特有な「過冷却液体」を利用した接合・加工を研究しています。金属ガラスは、融点の6割程度まで熱すると過冷却状態に遷移して液状化するため、結晶化させることなく超塑性加工が可能です。これは金属ガラスだけが実現できる全く新しい加工法です。この様な技術を駆使して金属ガラスを接合、成形、ナノ粒子化などあらゆる形状に加工することで新たな産業応用を開拓していきます。

精密機械システム研究室(中尾研究室)

研究室で開発した「ウォータドライブスピンドル」は、高い回転精度を有する小型スピンドルで、これは各種光デバイスに使用されるレンズや反射鏡の加工創成に利用されます。ウォータドライブスピンドルは、水の圧力によって完全非接触に精密支持された回転軸を、水のエネルギーによって高速回転させる機械装置です。さらに、水を冷却媒体として利用することにより、発熱に伴うスピンドルの変形を抑制できます。これまでの研究において、このスピンドルの回転振れが30nm以下であることが確認されています。超精密加工システムに関する一連の研究に加え、水中環境で利用可能な環境融和型水圧ロボットに関する研究も行っています。

流体力学研究室(中西研究室)

二酸化炭素の排出が少なくクリーンな再生可能エネルギーの一つである水力エネルギーの活用のための研究を行っています。これまで困難とされてきた、衝動形と呼ばれる水の速度エネルギーを利用するタイプの水車の流れ解析が可能となってきています。

流れの中に置かれた構造物は、周りの流れの影響により自励振動を起こすことがあります。特に構造物が複数ある場合には、単独構造物の場合よりも大きく複雑な振動を発生することがあります。 写真は弾性固定された2つの円柱の振動現象をシミュレートした結果です。

熱力学研究室(原村研究室)

「スターリングエンジン」は、作動ガスを高温部と低温部に分け、それぞれの体積を変化させながら、等温圧縮、等積加熱、等温膨張、等積冷却の4つの基本行程を繰り返して熱を仕事に変換することができます。
現在、流動抵抗を大幅に低減して高出力・高効率を実現するために、イラストのような扁平なエンジンの可能性を探っています。パワーピストンを固定した状態でシリンダの端面における熱伝達率を測定し、図のような熱伝達の分布が測定されました。現在、伝熱促進の方法を試みているところです。

原子力耐震工学研究室(藤本研究室)

21世紀は地震の世紀と言われており、原子力プラントに代表される大型の産業プラントやインフラ施設の耐震設計は益々重要になって来ています。本研究室では、産業施設の地震時の揺れを遮断する免震技術、プラント機器・配管の地震時の揺れを低減する耐震・制振技術に関する研究を行っています。また、構造物の腐食による地震時の産業施設の損傷事故を防ぐための構造強度劣化診断手法の研究も行っています。さらに,振動エネルギーを高効率で電気エネルギーに変換できる高出力発電素子を開発するとともに、これを用いてセンサーや送信デバイスを駆動させ、施設や設備の破損・故障検知のための外部電源や信号ケーブル不要の状態モニタリングシステム開発も行っています。

機械力学研究室(山崎研究室)

当研究室では、主に、振動と音響のエネルギーの流れに着目した研究を行っています。例えば、上図のように、エンジンの振動を車室内で放射させず、ボディの振動をボディ構造の設計によりコントロールして、トランクルームまで運び、そこで放射させれば、車室内は静かにできる、ということを実現するための研究を行っています。
下図は、三枚の板をつなげた構造物で、真ん中の板に渦型のエネルギーの流れを形成すれば、その先(左側の板)への振動の伝達が小さくなる、という振動遮断の考えを示したものです。これとストレートの流れを形成する(振動伝達の促進)ことを組み合わせることで、振動の遮断と促進により静かな車室内を実現するボディ設計ができつつあります。





copyright (C) 2005 Kanagawa University.